自力で表題登記

家づくり


建物を新築した時に必要なのが表題登記。

登記って、全く縁なく生きてきました。

色々種類があるようですが、
表題登記は不動産の物理的状況を公的に登録するもの
で、
不動産を新しく取得した時から1ヶ月以内に法務局に申請しなければならない
らしい。

一般的には、土地家屋調査士という資格を持つ方に依頼して行うそうですがネットで調べてみると

○依頼した場合の相場は10~20万円
○自分でやってみた!というまとめブログ

が散見され、我々も自分でやってみることにしました。

が…

前途多難でした。

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最終的に提出した書類

○登記申請書
○工務店さんの印鑑証明と、引き渡し証明書
○住民票
○確認申請書・確認済書の入ったファイル全部(原本)
○各階平面図・建物図面
○原本還付希望の書類のコピー一式
○原本還付用のレターパック(宛先は”申請人宛のみOK”とのことでした)

1st法務局

まず自分での申請の仕方を調べてみたところ
必要な書類は色々あるようですが

「法務局の窓口に行ったら、色々親切に教えてもらえました!」
「法務局での事前相談3 回ほどで申請できました!」
「法務局での事前相談は必須だと思います。」

etc…

とにかく法務局に行って、教えてもらったほうがいい!という記事がたくさん。

申請書もなかったので、とりあえず最寄りの法務局に行ってみました。

窓口はそこまで混んでおらず、前に1組。
終わったところで「登記の申請をしたいのですが…」と申し出てみたところ

登記?なんの登記ですか?
新築ですと表題登記ですね。こちら申請書になります。
申請書はネットでもダウンロードできますよ?
(なんで来たのか?と言わんばかりの圧)
法務局のホームページに必要書類については掲載されていますのでそれを見てください。
法務局の窓口では、絶っ対に!登記の相談には乗りませんので!!
必要でしたらこちらのチラシを見て、完全予約制の事前電話相談してください!

以上!!!この間約30秒。

…。

どうも我々、法務局の方が親切に教えてくれる世界線ではない異世界に転生していたようでした。。。

窓口の横に、「登記事前相談窓口(完全予約制)」という半個室がありましたが、予約の案内はもちろん、紹介すらされず。

コロナの影響で対面相談はしてないのかな…と思いながら
心をポッキリと折られ、退散したのでした。

こうなったら法務局はアテにならない。
なにせ、絶っ対に!!!相談に乗ってはくれないのだから…。

くっそー!絶っ対に!!!!自力で表題登記してやるうーーー!!!

ぐぬぬぬ…

市役所での無料登記相談

そんな中見つけたのが、市役所で月に一度行われている土地家屋調査士と司法書士による”登記についての無料相談会”

これは申し込まねば!ということで、市役所に電話してみたところ
「相談会当日の朝9時から先着順に予約を受け付けますので、また当日に電話してください」とのこと。

ホームページにもきちんと記載されていました。
フライングしてすみません!

当日まで3週間ほどあったので、必要書類(と思われる書類)を準備しておくことにしました。

○登記申請書→法務局で唯一もらえた手がかり的書類
○工務店さんの印鑑証明と、引き渡し証明書→工務店さんにお願いして用意してもらいました
○申請者の住民票→市役所で取得
○確認申請書・確認済書→設計事務所さんが引き渡しの時にファイルしてくれた中に入っていた
○各階平面図・建物図面→B4で決まった書式があるようで、ネットで拾ってダウンロードしました。その紙にJW CADと手書きを駆使して用意しておく。

そして当日、予約開始の朝9:30ピッタリに電話!

「今ですと15:00~の枠か、15:30~の枠の予約が空いています」
とのことで、15:30に予約をしました。
時間ぴったりでしたが、もう枠は埋まりつつあり
電話の向こう側では電話の呼び出し音が鳴っているのも聞こえ…
いやあ、人気なんですね!!

与えられた時間は30分とのことで、質問もまとめて向かいました。

Q1.CADと手書きで書いた図面を見せ、これで合ってますか?

この相談は、書類の審査はできないんですよ。合っているかどうかを知りたい場合は、法務局の事前相談がいいですよ!

えっっっ…法務局の…そうですか。法務局では絶っ対に相談には乗りません!と言われたんでここに来たのですが…

そうでしたか。完全予約制だからですかねー?
そういう相談会は法務局でやっていると思います。
予約できると思いますよ!

わかりました…(でも、図面のチェックは電話相談ではできないだろうな…法務局の対面相談を探してみよう)
平面図がCAD、建物図面が手書きと一枚の紙にCADと手書きが混在しているのは大丈夫でしょうか?

それは大丈夫だと思われます!

Q2.必要な書類一式は、これで合ってますか?

合ってそうですね!ただ、確認済書と確認申請書は、この1枚の紙だけではなくて…一緒に渡された、結構分厚い図面の部分も一緒に出します。

わかりました…?えーと、このファイルで渡されたのですが…

あー、そうですね!このファイルですね。

そう…なんですね。。(ファイルごと出すの?よくわからないな…)

Q3.提出書類のうち、申請書と図面に”所在(住所とは異なります)”を記入するところがあるのですが、所在は法務局で土地登記謄本を取ればわかりますか?

そうですね!わかりますよ!他にも$GAHgdsとか、△+`[@@pとかで調べられます!

(なんのことだかわからず、メモも取れず、覚えられもせず。)
とりあえず土地登記謄本取ればわかるんですね!わかりました!

Q4.土地建物図面、北の方角が用紙の真上を向いてなくて大丈夫ですかね?また、この図面はどこまで精度を求められますか?近隣の道路が斜めになっているのですが、どこまで精密に書けばいいのかわからなくて…

真上が北でなくても、大体上が北側なら大丈夫ですよ!
また、建物図面は、寸法が縮尺の通りなら大体で大丈夫です。つまり、道路を厳密に斜めにしなくても大丈夫ですよ!

(そうだったのか!)
CADだと精密な道路の斜め具合を精密にするのが難しかったから手書きにしたんです。

いやあ、これご自身で描いたんですか?すごい(根性)ですね〜

という感じで、約10分ほどで終了しました。

なんてったって、図面チェックはしてもらえない。
でも一番悩みの種だった、土地建物図面の正確さについては
寸法があっていれば大体でOK
そこだけ手書きでもOK

ということがわかりました!

2nd法務局 提出前補正

必要な書類がわかり、図面もこれで良いということにして
法務局の事前相談を調べてみたものの、電話相談や、土地建物調査士協会が行なっている相談会(@千代田区)しか見つけられず。
もう法務局に提出してしまうことにしました。

とりあえず土地登記謄本を取るのに、用紙を記入…

※地番・家屋番号は住所表示番号とは違いますので、注意してください

出たーーーーーー!

これ!なに?じゃあなんなの?どこの住所を書けばいいの???

家の住所の土地の所在とやらを知りたいのに、住所じゃない番号かもしれない?じゃあそれって何番なの?知らないよ!!!

ハテナだらけになりながら、交付請求担当の窓口にいたお姉様に助けを求めました。

すると、では一緒に!と、”地番検索”と表示のあるパソコンに案内されました。

まるで図書館の蔵書検索パソコンのような趣です。

そこに、いわゆる私達が知っている住所を入力すると地図が出てきました。

ここに表示されている、青い数字が”地番”=”所在”です!
そうでない数字(確か灰色で表示されていた)は、いわゆるご住所です。
”地番”や”所在”は法務局が管理している土地や建物の番号で、皆様に馴染みのある”住所”は、市役所が管理している番号なんですよ。

えーーーー!!!!そうなんだ!!!!そういうことだったのか!だから
「住居表示番号と違います」って何度も出てきたのか!
住所は市役所。
地番(所在)は法務局。

登記は法務局に行うものだから、法務局で管理している番号=地番(所在)で書類を書く必要があるのか〜!

やっと理解しました(遅)

で、無事土地登記謄本をもらい

(あれ?パソコンでわかるなら土地登記謄本要らないよね…?)

という思いが去来しました。

そうなんです!土地登記謄本は要りませんでした。
市役所での土地建物調査士さんの相談会の時も、ネットで調べる方法などを教えてくれていたんですねきっと!

法務省の地番検索サービス 
有料で、使用できる時間に限りもありますが、法務局にわざわざ所在だけ調べに行かなくてもネットで調べられるようです。

今回我々は、贈与税の申告に土地登記謄本が必要だったので、謄本を取得しました。

さて、所在が分かり、必要な箇所に記入した!
印も押した!
原本還付してほしい書類だけコピーとった!
これで出してみよう!

ドキドキしながら登記申請窓口へ…
どうかこの前のおじさんではありませんように…
窓口に来てくれたのは女性でした!

表題登記申請を提出したいのですが…

あっ!かしこまりました、ではそちらのお席でお待ちください!

“登記補正場所”と書かれた席に案内されました。

登記補正…?

しばらくして来てくれたのは、前回とは違う男性
まず一通り見て、なんと全てチェックしてくれました。

…。
絶っ対に!登記の相談に乗らない宣言はなんだったのだろうか。。。


と思いつつ、以下が我々のもらったアドバイスです。

アドバイス

①登記申請書
 「ガルバリウム鋼板ぶき」→「合金メッキ鋼板ぶき」と書き直し
 近年、屋根の素材の種類が多様化し、現地調査をしても見た目だけでは合金のうち、ガルバリウムなのかそれ以外様々な材料なのか区別がつかないため大きな括りで提出してもらうことにしていますとのことでした。局員さんが分厚い紙の束を見て、何と書けばいいのかを調べてくれました。

 今回、原本の還付を希望していたので、自署の下に「登記完了書および原本の返却は郵送を希望する」と書く

②原本還付を希望する、コピーした書類
 コピーした紙の束を左二箇所でホチキス留め
 一枚目の紙に「原本に相違なし」とハンコを押してくれました。
 冊子状になったものの一枚目に署名捺印、中は割り印を各ページにしてくださいと言われ、そのようにしました。
 別に「原本還付希望」のような表紙を作る必要はないとのことでした。

③各階平面図・建物図面
 かなりしっかりと、設計士さんの描いてくれた設計図と相違ないか、寸法は縮尺通りに書けているか見てくれました。図面はOKだったのですが
 「建物図面の境界からの距離はどうやって出しましたか?実際に測ったものですか?」
 「いや、設計図見て計算しました。」
 「ああ〜〜〜、これだと、柱中心からの距離なんですよ。ここは、境界から壁際までの距離なので、実際に測って記入した方がいいですよ。現地調査で実寸測るので、相違あると補正のために呼び出しになってしまいます…」と教えてくれました。
 そうだったのか…
 ちなみに、手書きとCADが混在しているのはOK
 ですが補正の手間を考えるとCADで書くのがオススメとのこと。
 なぜなら提出した図面がそのまま公式な書類になるので、訂正印などでの訂正は不可
 訂正があった場合は訂正とわからないように直して完璧な図面を出してもらう必要があるので、CADの方が修正しなければならない時に楽なのでは、ということでした。

④確認申請書・確認済書
 これに関しては、もうこのファイルこのまま全部出してください!と言われました。
 やっぱりそうなんですね。。
 ファイルの中の、必要なページを局員さんがコピーし、②の原本還付の冊子に入れてくれました。

⑤原本還付を郵送で希望なら、レターパック(赤)がオススメ。
 なお、還付先の住所は申請人のみに限定。
 提出も郵送でできるよ!その場合もレターパック(赤)がいいよ!追跡機能ついているやつがオススメだよ!
 年に数回、送ったのに法務局には届いてないということがあるんです…とおっしゃっていました。

以上、細かく理由まで説明してもらいながら小一時間。
途中めちゃくちゃコピーも取ってくれていたし(こちらがよくわからず取れていなかった分)
なんならホチキス留めもしてくれ、クリップはくれた。
ホチキスもクリップも、持っていったけど使わなかった。

あとは図面の寸法だけ直せば提出できますね!
提出日、今日出すつもりだったので今日の日付書いちゃってますけど…

持参で次回出すならその日の日付に直してもらいます(もう一枚書いた方がいいかも)
でも郵送で出す場合はどうしても投函から到着までタイムラグがあるので、このまま今日の日付でも受け付けられますよ

なんって丁寧なんだ…!感動したー!

ちなみに最後に、気になっていたあのことを聞いてみました。

前回「絶っ対に相談に乗りません!!」と言われたんですが…すごくきちんと見てくれるんですね…

いや、提出の際にきちんと一通り確認はしますよ…

初めから教えてくださいスタンスがダメだったのか…?
あと出すだけ!のところまで用意していけば、見てもらえるということだったのか…?
それとも人によって違うのか…?


この図面作成や、一連の申請が土地家屋調査士さんのお仕事になっており
法務局が相談に乗っていたのに補正があった時に責任取れないよ!
ということなんだろうなと理解はしつつも、不可解な出来事でした。

3rd法務局 そして提出へ…

指摘していただいた不備を直し、提出に。
結局気持ち的に、手渡しで窓口に行くことにしました。

ドキドキしながら行くと、前回・前々回とはまた別の方が窓口のそばのパソコンで何やら入力仕事をしており…

お忙しいところすみません、表題登記の申請お願いしたいのですが…

表題登記ですね。書類は全て揃っていますか?
原本還付希望されてますが、コピーは全部取れていますか?取れてないとお返しされないですよ?

おおおお、結構面倒臭いと思っていそうなオーラを感じる…(気にしすぎかも?)

はい、一応前回こちらの職員さんに、全てチェックしてもらって、コピーも取ってくださって「これで大丈夫」と言われました。確認申請書と確認済書はファイルごと出すように言われたのですが、全てコピーは取っていません。ファイルの中身全てをコピーしないと、原本のファイルは戻ってこないですか?

あ!そうなんですね…(パラパラ)
こちらで必要な書類に関してはコピー取れてますね。前回の担当者がきちんとやってくれてますね。
ファイル全てのページはコピーされていませんが、法務局で必要な部分はコピーしてありますので、ファイル全て還付いたしますのでご安心ください。

えっなんか突然優しくなった

ではこれで!出します!

はい、承りました。
本日申請の受付をしましたので、このあと書類の処理を行い、2.3日後にお電話で現地調査の日程を相談させていただきます。
この申請は、確実に通るとは今は申し上げられないのですが、通常不備がなければ数週間で完了いたしまして、今回は原本還付ご希望+レターパックも付けていただいたので終了次第、ご郵送いたします。それではお疲れ様でした。

ありがとうございました!よろしくお願いします!!!

完!!!!

だけど、やっぱりそれぞれの書類のチェックはなかったです。
結構担当してくれる人によってバラつきがある印象ですね。

現地調査

数日後、法務局から電話があり、サクッと現地調査の日程が決まりました。
現地調査には名義人が同席しないといけないようで、
書類提出から一週間後くらいの日取りでした。

現地調査の当日は、お約束の時間の15分くらい前に来てくれました。
家の周り、家の中をチェックし、15分くらいでチェックを終え、帰られました。
来てくれたのは、二回目の窓口で親切に色々教えてくれた局員さんでした。

そして現地調査から2,3日後に原本還付の書類一式が返送されてきました!
つまり、無事登記完了です!!
長かったーーーーーー

かかった費用

法務局駐車場代:¥770×2回+¥120×1回
三角スケール:¥1210
コピー代:¥60
住民票:¥200
レターパックプラス:¥520
(土地登記謄本代:¥600)

合計:¥3770 (土地登記謄本入れて¥4370)

心労:プライスレス

かかった時間

提出まで約1ヶ月
(市役所の相談会が月一でそれを待った為。次やるなら1週間くらいあればできると思います。超頑張れば3日くらいでも可能かも…?書類集め・図面描き・コピー)

まとめ

もしまた、表題登記をやる機会があれば、自分でやると思います。

なぜなら今回経験して、どういうものなのかや流れがわかったから。
一度体験してみたら、そこまで難しいことではなかったです。

でも、我々含め、多くの人が人生で一回しか表題登記しないのではないでしょうか…?

初めてで右も左もわからず、不動産関係の知識も全くない素人がゼロから全てやるのは結構大変でした。

それでも出来ました。

そこをどう判断するか。
プロに頼む方がいいか・自分でやって節約するか…
確かにプロの方に10万円ほどお支払いするのは理解できるなあと感じます。

そのくらい大変でした!

そして最後まで表題登記申請書は、ネットでは見つけられませんでした。
探し方が悪いのかな…

また、法務局の局員さんは、基本的にお忙しい!!!!のだなと感じました。

初めは、とんでもねえ世界線に来てしまったぜ…と思いましたが

お一人お一人がそれぞれの業務を抱え、その中でできる人やたまたま居合わせた人が窓口の業務を行っているという印象でした。
なので、
○絶対チェックしない人
○全部一応見てくれる人
○聞かれれば、そこだけチェックする人
のように個人個人で対応が異なったのかなー?と思います。

もちろん各都道府県・支部によっても異なると思います。

皆さんのご参考になれば幸いです!
ここまでお読みいただきありがとうございました。